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還暦の旅路~茂田井武を旅する [アートギャラリー『還暦』]

絵に理屈は要らない。しかし理屈を並べる事も私の絵の一部である。

夕日の憧憬_習作.jpg

茂田井武という画家を知ってから、私の絵に対するスタンスが変わったようだ。
茂田井武の世界を旅するように私の世界を描いてみたい。

タグ:茂田井武
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還暦の猫 その14「令和世代がやって来た」 [還暦猫ミカン]

“還暦の猫” などと呼ばれて、すっかり門番のお役御免でひねもすのたりと暮らしているニョだが…最近少しばかりボケも入ってきた様子でやや不安な毎日を過ごしているんだニャ。
そんなワシの日常を揺るがす一大事がやって来た!な…なんと!ミャーミャーとうるさい鳴き声を発する子猫がやってきたニョだ!それもオスで、将来はワシとのテリトリー争いを予想させる。なんでまたこんなヤツが飼われることにニャッたのだろうか。

じ〜じとミカン_2107.jpg

とは言え、家族の一員として迎え入れられたからにはワシも冷たくする訳にはいかないニョで、早速あいさつをしようと顔を近づけたのだが恐がられてしまった。初めからナメられてはいけないと思って「フーッ」と吹いたのがいけなかったニョか、子猫との付き合い方を知らないワシにはなかなか難しいファーストコンタクトだったニャア。
一時期は我が家に十二匹もの猫が居て賑やかだった時期があったが、その頃のワシは今よりずっと若くて元気だったから何も恐いものもニャく平気だったのニャが…歳のせいか若い新参者には遠慮をするようになってしまった様だニャ。時々顔を出して寝転ぶこともあったリビングから足が遠のいて別室に引き籠もることが多くなったもんだニャ。

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別に無理をしている訳でもニャいのだがどうやらこれは猫族の本能のようで、新しい世代がやって来たら旧世代は上手に身を引く習わしがDNAにインプットされているのだろうか、自然と身の振り方を変えてゆく様だニャア。
ワシも初めは対処の仕方に戸惑ったが、いまではご隠居宜しく距離を置いて日々を過ごしている。ご主人たち人間の世界でもこういった世代交代はあるのだろうが、話によるとあまり上手な “禅譲”はなされていないようだニャ。

考えてみれば大勢いた仲間たちも少なくなって、いつの間にか一匹ぽっちで過ごすことが多くなっていたもんだニャア。時代も平成から令和へと変わって新しくなったことだし、ワシもそろそろ隠居を考えねばならない歳になって来た様だニャ。まぁひとつ若い世代とも付き合ってみるとするかニャ…。

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還暦の陰鬱な側面 [還暦デビュー雑感]

確かにこれまで自分自身が還暦を経た同世代だったために、還暦を経た者をまるで代弁するかのような口調で語って来たかも知れない。そしてそれは時には還暦者(という言葉を仮に使わせてもらう)を美化して説明していたかも知れない。ある本を読んでいてそんな自分の還暦者の捉え方に欠陥を感じた。
還暦を過ぎて年季の入った高齢者だからといって、そんなに高邁な精神を持っているわけではない。場合によっては若い人たちには考えられない様な愚かで醜い面も持ち合わせている事だってある。人間性の問題は年齢とは関係ないというのが本当のところでしょうね。
ある本の中には高齢者の引き起こす事件や過ちの数々がルポされていたのだが、私なりの感想を言えば「年甲斐もない」というのが事件の共通した要素だった。過分に強がった傍若無人な素振り、過剰な妄想と欲情に駆られた遅すぎた性的衝動…若かった頃の後悔をいま爆発させている姿が目についた。これも単に時代の様相の一種なのでしょうか、人というものは生きている世の中の環境によってどんどん変わるものの様に思えます。

考えてみれば自分が歳を取って並んでしまったせいか、周囲にあまり感心できる年寄りが居なくなってしまった気がする。ちょっとした仕草や心遣いが「さすが年の功」とでも言いたくなるような吾人が昔は居たものだった。そういった人を見るたびに年配の人が生きている意味というものを何となく感じていたものだった。何が変わったのだろう?どうなってしまったのだろう?戦後教育で育った事もひとつの原因なのだろうか…?
自由に自己主張が出来るようになった(と思い込んで)権利や欲望を追及してきたつもりの日々が得てきたものは、身の丈知らずのアクセルを吹かした暴走だった。若かった頃に純粋な気持ちで求めた理想は世の中で生きてゆく内に色褪せたものになってしまっていた。それはある意味で当然の事で、そうやって変質してゆく事が自然の成り行きとも言えるだろう。ただ愚かな事はその変質を理解出来ず、時には過去に戻ろうとする錯覚が起こる事なのだ。確かに世の中は変わり、過去の自分は既に変質した何ものでも無い事を潔く知るべきだろうと思う。それを知った上で、新たな生き方を模索すべきなのだろう。それが今の時代の還暦の生き様のようにも思える。

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還暦を経た高齢者の持つ陰鬱な側面を直視して、それを越えてゆく中に次の命の扉が見えて来るだろう…。驕る勿れ。

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