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時は流れ、景色は変わる。 [還暦デビュー雑感]

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「時は流れ、景色は変わる」今の私の思いはこの言葉に尽きる。
私の事は私には分からない。前と比べて変わっている様でもあり以前のままで変わらない様でもある。ただ確かに感じる事は、時は流れて周りの様相は変わっているという事。根底に流れる本質や答えは変わっているのかどうか分からない。それでも様相は確かに変わっている。表面の変化に振り回されながら本来の道から遥かに離れてゆくのが人間の歩みなのかも知れない。それを “人間らしい生き方”というのだろう。

人生を60年以上も生きてくると、多少の自分なりの答えは持っているものだ。しかしよく注意しないといけない事は、その答えが一体何のためになるのかという事である。
或る答えを見つけ出したとしよう。しかし人生はまだまだ続いて、時代や状況の変化と共にその答えも色褪せて陳腐化してしまうのだが、それでも過去に見つけた答えを後生大事に抱えて残りの日々を生き続けるのだろうか。

残酷なものである。若い頃に確信をもって見い出した答えはいつの間にか意味のないものに変わってしまう。それを成長というのか自然の変化というのか、ゆく川の流れは絶え間なく変わり続けるのだ。それで良いのかも知れない。書き換えられる事のない答えは「答え」ではないのかも知れないからだ。
その時は絶対無二と思っていた答えが時と共に変容してゆくのなら、その後の私の信念や生き方も変わってゆくのが当然だろう。現実は映画や芝居とは違って、答えが見つかりエンドロールが出た後でも終了せずにまだまだ物語は続いて行くのである。ひとつの悟りからブレずに生き続けることは出来ないのが世俗に生きる者の実態だ。「答え」というものはそれを悟ったその時だけのものの様な気がする。

残酷なものである。どれだけ正しい答えだとしても変容せず時を生き続ける事はない。正しければ正しい程にその身を変え、時代を生き延びて再び私たちの目の前に現われるものだ。正しい答えは滅する事はないが、姿を変えて時には誤解を生みながら生き続けるものなのだろう。
「信念のある答」というものは “正しいという衣を着ずに、誤解にまみれながらも支持されて生き続ける”そういったものなのだと思う。

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コメント 4

jyoji-san

写真や鏡を見ると「変わったなー」と思う。
写真や鏡を見る前の頭の中にある自分は何処かに消し飛んでしまい
現実に引き戻される。
今まで簡単に持ち上げれていた物が持ち上げられず、ほぼ走る事は皆無。腕立て伏せをしたら1回も出来ずビックリ!。もう少し身体を鍛えないといけないなーと思う今日この頃です。
by jyoji-san (2020-08-22 18:49) 

いっぷく

この画像の2人は若い頃の自分と今の自分でしょうか。表情が険しいですね。
by いっぷく (2020-08-23 00:17) 

風船かずら

フロム様の思索興味深く読んでいます。あらゆるものが変化して常でない、個人もまたそうですね。そこが面白いところと思いますが命が持つ本質的なものはあまり違わないのではないかと私は思います。ケガをすれば痛いと思うし、蚊に刺されればかゆい。命が二つあって生き返るなんてことは聞いたことがない。一度死んでしまえばその人は終わりです。変わるけれど変わらないもの、それが真理だとしたら真理を知りたいと思います。真理は形でも物でもない、変化の中に働いている力でしょうか。
by 風船かずら (2020-08-23 13:46) 

扶侶夢

>jyoji-sanさん、いっぷくさん、風船かずらさん、ご来訪&コメント有難うございます。

※肉体を含む表面的なものは文句なく変わっていますね。精神的な内面もそれに従って変わっています。問題は果たして良い方向に変わっているのか…という点でしょうか。否、もしかしたら良いも悪いもないのかも知れません。

※二枚の画像は特に若い頃と現在という風に区別はしていませんが意識して険しい顔にしています。話せば長くなるのですが…歳を取ってから改めて「怖さも身にまといたい」と思い始めたからなんです。

>真理は形でも物でもない、変化の中に働いている力でしょうか。
※風船かずらさんの真理を求める真摯な姿には頭が下がります。確信をもって掴むことの難しい「真理」というものは時として考えもしない姿で存在していると思います。この「変化の中に働いている力」という解釈は的を得ていると思いますね。
by 扶侶夢 (2020-08-23 17:57) 

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