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人間関係についての時代的考察 [徒然随筆]

長い歴史の中でほとんど多くのものが移り変わり変容して今日に至っている。変わらぬものは何ひとつとしてないと言っても過言ではなさそうである。しかし私たちは何故か「人と人との繋がりにおいて」は一向に変化したという自覚が無い。実は世の中の移り変わりに伴って人間同士の繋がりや関係は時代的変容が起こっているのだが、私たちの意識の中にそれを自覚する部分が無いのである。何故自覚が無いのか、その理由については後述するとしてとにかく親子・友人・夫婦間のあるべき姿は常に変わらぬ不文律として概念の中で存在している。
何もかもが変わってゆく中で人と人との繋がりやその在り方が変わらずにあり得るものだろうか。現実に婚姻の形としてはジェンダーレスが認められて同性婚が市民権を得たように過去の価値観からシフトして新しい形式が誕生している。過去の形に残されたままになっているのは人の頭の中で、実際の世の中は変化して先に進んでいる様相だ。一時的に反発もするが結局は時代に流されて、流される事を拒み続ける人達は古い因習の中で沈んでゆくしかないのであろう。世の中が変化しても人間関係だけは変わらないと信じている人たちは、その幻想を抱えたままで一生を過ごすことになる。

日常の変化の蓄積のために現在の社会的な人間関係の変化には気づいていない人も多いが、親子関係は、夫婦関係は、職場や学校での男女関係は今後どう変わってゆくのだろうか。基本的にはこれまでの様な密度の濃い関係は希薄になってゆく事だろう。今回のコロナ禍を経験したことによって社会生活での人間関係のバランスのとり方を痛感した様だ。
親子であろうが夫婦であろうが兄弟姉妹であろうが、それは個々の繋がりであって大自然のひとつの現象に過ぎない。そんな関係性を他の動物たちは受け入れているのだが、人間だけはそこに自己承認欲に根ざした社会規範や道徳意識を絡めて様々な理想形を創作している。社会を構成するユニットとして期待される理想像を求められ続けて来たのだが、それは時代の変化と共に移り変わってゆくものの様だ。人と人との繋がりや絆というものが今とは別の意味を持ち、更に違った働きをするのであれば親子、夫婦、血縁関係と云うものは今とは違う意味を創造・発見する事になるだろう。

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