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終わりの始まり~価値観の転換 [還暦の荒野をめざして]

少しずつなのでなかなか大きな変化に気づく事も少ないが、世界は根本的なところで変わろうとしている様だ。変わるには変わるのだが…いつか来た道に戻るといえば戻るとも云える。古いとか新しいとか、進歩とか後退とか表現するよりもシフトチェンジと考えた方が適切なのではないだろうか。
人間の悠久の歴史の中では全く新しいものなんて無いと思っている。何度も変化して試行錯誤しながら人類は生き続けているからだ。だから私はこう考える、“今という時代に生まれて今という時代を生きているに過ぎない”と。もっと本質的な事も言えるのだがそれを言っては身も蓋もないのでソフトな表現にとどめて置こう。とにかく使命を持って生きるにしても、幸福を求めて生きるにしても、他人を蹴落として生きるにしても、差別し罵倒して生きるにしても、恨みつらみで生きるにしても、快楽を求めて生きるにしても、自虐的に生きるにしても… “今という状況を生きている。命を費やして生きている”という事に違いはない。

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そして時代の空気と価値観の転換が起ころうとしている。フランス革命やロシア革命はちょっと大袈裟だが、わが国でも明治維新や天皇が “人間宣言”をされた戦後などは庶民の暮らしのレベルに於いても未曽有の大転換だったに違いない。新しい時代の選択が良かったか悪かったのかは全て後付けの評論で、良くも悪くもその選択が必然だったというのが事実なのだろう。
新型コロナウィルスの登場によって先進国である我が国は、社会システムの発想の転換を求められるようになった。これまでの社会運営の考え方の行き詰まりを現実に見たからだ。これまで言ってきた「サステナビリティ:継続的な進歩」が口先だけのお題目だった事を実感させられたが、それが全くの無意味な発想だったとは思われない。改めてサステナビリティの本来の姿を模索し探し当てる努力を始めなければならない様に思う。
例えば “高齢者を活かす”という立場で考えれば、これからの社会の新しいコンセプトは “世代間の連携”ではないだろうか?経済成長やらマーケティングやらの思考回路は一旦遮断して、次に来る価値体系を考える必要がある。そういった意味では、戦後の高度成長からバブル崩壊までを突っ走った高齢者世代のものの考え方を終わらせて、今の20~30代を中心とした世代の求める価値観で構造改革をしていった方が次世代にふさわしいものが見つかると思われる。高齢者世代は自分たちが社会から手を引っ張ってもらえる様な存在になること、そのためには若い世代を生かせるような機会を提供することが大事なのだろう。持っているものを手放して次世代に託すという生き方が、たぶん必要なんだろうと思う。

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時代の変化、流れを見ているとつくづく「歳を取ったなぁ」と思う。かつては時代が変わることに対して肯定的積極派だったのだが、今では反対こそしないものの懐疑派になってしまった。これは単に価値観の変化について生きにくくなった為だろう。自分の生きてきた時代の価値観がいつまでも不変で在り続けるとは思っていないが、かと言って変わり切った尺度に合わせようとすることにも無理がある。
残念ながら、はっきり言ってこれからの時代に私たち高齢者は無用の存在になろうとしている。だからこそ高齢者はそれぞれが存在の意義を自覚して新次元の荒野をめざさなければならないと思っているのだ。

to be coutinued...

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U3

 新型コロナ、、、禍転じて福と為すにはどうしたら良いか。
 この災厄で分かった日本の弱点を強化することだと思う。
 IT後進国であることを露呈した。富岳でスパコン世界一になっても実質先進国最低のIT後進国である。アンバランスに過ぎる。
 しかし、この国に今一番必要なのは「格差の是正」だ。日本の活力をなくしているのは、到底解消しきれない財政赤字でも世界一の高齢化社会でもない。
 貧富、教育、機会、身分、年齢(世代間)、情報etcそれこそあらゆるところで格差がありすぎる。それが怨嗟を呼び人々の対立を生み国勢の足を引っ張るのだと思う。
 今日本人が一番初めに考えることは、まずは「己のことを考える」のではなく、『他人の身になって考える』ことなのだと思う。対立ではなく協調、そこに未来がある気がしてならない。
 扶侶夢さん、まだまだ老いるには早いですよ。達観は死ぬ間際で良いのでは。
by U3 (2020-07-11 19:36) 

扶侶夢

>U3 さん、ご来訪&コメント有難うございます。
「格差の是正」…その通りなんですが難しいですよね。この問題に限った訳でもないですが、最終的には “力のある者たち”が決定するものですからどうしても保身の政治決定になってしまう。21世紀型の革命でも起きない限り根底を変えるのは難儀です。唯一の可能性は「塊より始めよ」でコツコツと地道に改善することなんですが、百年の計を打ち立てる人物でなければ難しいですね。
喉元過ぎれば熱さを忘れる人たちが、3年過ぎても今のコロナ禍で語っている諸々の反省を実践しているだろうか…?
by 扶侶夢 (2020-07-11 22:08) 

いっぷく

私は今も、どうすればこれまでの不遇をかこつ人生の流れを変えて、還暦後の人生に活路を見いだせるのか、と往生際悪く考えています。まだ一旗あげる気なのです(笑)
というのも私は病的に自己肯定感が低く、そのためにこれまでチャンスを逃したり、判断を誤ったりしたこともたくさんあり、後悔しているのです。時間や若さは戻らないけれど、せめてこれからの人生は心を入れ替えこれまでとは違う哲学や価値観でやり直せないものかと思っています。
そういう意味では、もしかしたら流れが変わるかもしれないという理由で、「時代が変わることに対して肯定的積極派」の心境ですね。もっとも「時代」にゆだねているうちは何も変わらないかもしれませんが。
by いっぷく (2020-07-14 05:13) 

扶侶夢

>いっぷくさん、ご来訪&コメント有難うございます。

往生際悪いのは私も同じです。あれこれ言っているのは結局往生際が悪い証拠ですね(苦笑)
いっぷくさんが “自己肯定感が低い”というのは理解できませんが、時代の変化を肯定的積極派として捉えたいというのは素晴らしいですね。誰もがまだまだ 試した事のない潜在的な能力と可能性は持っているはずですから…。
by 扶侶夢 (2020-07-14 13:05) 

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