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還暦の猫 その11「世界はどうなるのだろう」 [還暦猫ミカン]

まったりとしている。外は少し寒くなってきたけれど、最近はあまり外出をしなくなってベッドの上でゴロゴロしていることが多くなった。もともと一日12時間以上の睡眠を必要とする習性だが、近頃は夜の外出も控えめにして昼夜問わず寝ていることが多くなった。
人間はそんなワシを見て“気楽なものだ”と思っている様だが、猫族の世界には猫族の大変さがあるのだ。例えば、いつ如何なる時でも常に食の心配をしていなくてはならない。今は運の良い事に、家猫として飼われていて美味しいペットフードを与えて貰っているがこの先どうなるか何の保証もない。年金が下りるわけでもないし家を追い出される事もあるかも知れない。犬族の様に人間と信頼関係で結ばれているわけでもないので、無頼の猫族は見かけによらず心細い日々を送っているのだ。

ミカンベッドで02.jpg

人間の世界とは考えの基準が違っているから何とも言えないのだが、この家のご主人様たちを見ていると日々を無駄に過ごしている様に見えてしまう。それを人間世界では文化水準が高いと云うのかも知れないが、ワシから見れば生きる事以外のどうでも良い事に精を出している様に見えて仕方がないのだニャ。
猫族の世界には宗教というものは無いのだが、人間世界には色んな宗教があって中でもキリスト教の教義の中に、キリストが言ったか言わぬか知らないが「人はパンのみにて生きるにあらず」という言葉があるらしい。ま、含蓄を含んだ言葉で解釈されているがワシに言わせれば「生きものは生きるために生きている」というのが真理なんだニャア。それ以外のものは本当かも知れないが人それぞれであって、人それぞれの後付け的な理由に過ぎないというのが猫族の見解なのだニャ。

核保有問題、人権問題、南北経済格差問題etc. 人間の能力では応えきれないくらいの様々な問題が語られているけれど、どれとして決定的な答えは出ていない。答えの見えない討論を延々としている人間たちは何と暇なのだろうかと思ってしまう。猫族のワシにはもっと現実的で有効性のある問題がいっぱいあって机上論を語っている暇はないというのが正直なところなんだニャ。
真夜中の夜会に出て若い猫輩たちともコミュニケーションをとる事もあるが、たまにこれからの世界についての話題が出る事がある。猫族にとっての“これからの世界”とはどうやって生きてゆくかという命題があるのみで、人間の様に原子力やら核やら格差社会といった話は考える事も無い妄想の様なものだ。人間たちにはそれらがとても大切な問題という事らしいが、果たして本当にそうなんだろうかニャア?

庭先ミカン_02.jpg

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